■第三者評価機関名
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■施設・事業所情報
名称 |
友里かご保育園 |
種別 |
保育所 |
代表者氏名 |
田中大介 |
定員(利用人数) |
60(65) |
所在地 |
〒325-0023 那須塩原市豊浦12-209
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TEL |
0287-62-1144 |
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■第三者評価の受審状況
評価実施期間 |
令和6年5月17日(契約日)~ 令和6年11月23日(評価結果確定日) |
受審回数(前回の受審時期) |
2回 (2017年度) |
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■総評
◇特に評価の高い点 (1)一人ひとりを大切にした特色のある保育の取組 保育園全体で一人ひとりの子どもの発達状況や家庭環境、保護者の思いを把握し、育てたい姿や支援について共通理解を図りながら特色ある保育を行っている。子ども達は、豊かな自然環境の中で日常的に自然とふれあい、和食を中心とした給食やクッキング活動などにより食への関心を深め、季節の行事や地域交流の中で様々な体験をしている。また3歳以上児の縦割りクラス編成による異年齢児の日々の交流や、4・5歳児の日本文化(茶道や座禅)に触れる活動も行われている。保育士は子どもの気持をしっかり受け止め、子どもが自分の思いを言葉にして伝えられることや、達成感や満足感を共有することを大切にしている。園では、園児が保育士に、また保育士同士が声かけするときに、「先生」ではなくそれぞれの名前で呼ぶことにしており、指示や否定的な言葉を使わないよう努めている。保育士は園内研修等でチェックリストによる自らの保育の振り返りを行って常に学び直し、子どもの気持に寄り添う保育をしている。
(2)分野別会議における職員のスキルアップと運営改善の効果 分野別会議の分野とは、保育に欠かせない「食育・衛生の分野」、「もの作りの分野」、「遊びの分野」、「園庭の分野」の4分野を指し、それぞれ分野別にテーマを決めて毎月1回会議を開いている。分野別会議は令和5年度の職員会議で、園内研修のあり方を議論する中で、職員の総意に基づき発足した園内会議の一つである。クラスごとに挙がった諸課題を分野別に分類してクラスの代表が各分野別会議に持ち寄り、課題解決策を検討している。各分野別会議での検証および改善策を導き出す活動は、職員の自己研鑽の場となるとともに、改善内容によっては園全体の運営改善に波及するなど、二重の効果を生んでいる。職員が日頃から問題意識を持って保育にあたり、課題解決に向けての意見交換を重ねる同会議は、長期的に見て、保育の質を底上げすることに寄与するものと思われる。
(3)保護者とのきめ細かなやりとりによる子育ての支援 一般の保育所では3歳以上になると使用されなくなる連絡帳が、当園では子ども全員にあり、毎日、担任保育士がその日の様子や保護者の相談・質問等に答える内容を記載している。普段の保育のほか、園外保育や行事の際の園児一人ひとりの様子を写真入りで伝えることもあり、保護者から我が子の様子がよく分かると好評である。「おんりぃわんノート」と名付けられている連絡帳は保護者の手元に残る卒園までの記録として貴重である。 また、年度初めにはクラス懇談会が開催されるほか、保育参加や個人面談があり、毎日の送迎時、特にお迎え時には保護者が保育室に入って、担任保育士と会話することで情報共有や相談を行うことができている。保護者からも、子ども一人ひとりをよく見ていてくれて、相談にも丁寧に応じてくれていると好意的な声が寄せられている。
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◇改善を求められる点 (1)上司と部下の十分なコミュニケーションによる業務目標の設定 当園の目標管理制度は、「職員個々の業務についての目標」と「自己研鑽のための目標」の2本立てになっている。後者の自己研鑽のための目標設定は、研修・セミナーの受講や独学等で資格取得を目指すことや、得意分野の習熟度の向上や不得意分野の克服など職員自身のスキルアップになる取組である。一方、前者の業務目標については、職員自身が目標を設定しても、職員が設定した目標について期首に上司(園長・副園長・リーダー等々)とのすり合わせを行っていない。業務目標に関しては園の全体目標を受けて、部署別目標(クラス別目標・調理部目標・看護部目標・事務部目標等々)を設定し、さらに個人目標設定という一連の流れで捉え、組織としての目標と部署別目標および個人の目標の整合性を図ることにより、園全体の目標を達成することに繋がりやすい。これは単なるトップダウンではなく、上司と部下の十分なコミュニケーションにより双方の納得の下で目標設定することで、園の目指す方向と職員の創意工夫・努力の方向性が一致することに繋がるため、一考を期待したい。
(2)ビジョンの明確化と中・長期計画の策定 前回の第三者評価で、園運営の標題の明確化および中・長期計画の策定が改善事項として指摘されたが、未策定のまま継続課題となっている。先ずは理念・基本方針に沿って、今後3~5年を見据えた園の目指すべき展望や目標を掲げることが、職員の励みに繋がり、社会資源として今後の方向性を地域へ示す明確なメッセージともなる。現在、当園が他園との差別化の一環として取組んでいる「病後児保育」、「3歳児以上の異年齢児保育」、「和食中心の手作り給食・おやつ」、「日本の伝統文化であるお茶・座禅の実践」等は、中・長期的な視点から地域ニーズに合致しているか、継続性や妥当性に問題ないかなど、あらゆる角度から検討・分析して計画に結び付けることが、中・長期計画策定の手法のひとつになる。このように中・長期計画を推進することで、現在展開中の取組のさらなるグレードアップや新たな事業の創設に繋がる可能性も出てくる。また、2年後に迫る「子ども誰でも通園制度」実施への人材確保策や運営法など中・長期にわたる課題は尽きないと思われる。一刻も早い策定に期待したい。
(3)標準的実施方法の定期的な見直しの仕組みの構築 保育についての標準的な実施方法は「友里かご保育園で大切にしていること」とデイリープログラムで文書化している。内容は保育園の役割、子どもの成長、園独自で取組む保育(自然とのかかわりの中での経験・異年齢保育・食育・行事・茶道等)、保護者支援等のねらいと留意点、保育士の関り方が記載されている。保育の実施方法の見直しは各クラスで状況に応じて行っているが、保育園全体としては行われていない。 今後は子どもが必要とする保育内容の変化や新たな知識・技術等の導入を踏まえ、保育の一定の水準・内容を実現することを目指すための保育の標準的な実施方法として、定期的に現状を検証して見直す仕組みを構築し、職員の研修を行い周知徹底することを期待する。
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■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回、第三者評価を受けて当園のこれからの課題が様々見えてきました。これから職員皆で、ひとつひとつ改善を重ね、より丁寧な保育、子ども達にとっての良い環境、職員にとっての働きやすい職場づくりを目指していきたいと思います。 |
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■第三者評価結果
別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。 |