とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
株式会社 アールピーアイ栃木
■施設・事業所情報
名称 宇都宮市なかよし保育園 種別 保育所
代表者氏名 佐藤 小夜子 定員(利用人数) 170(131)
所在地 〒329-1102
宇都宮市白沢町396-2
TEL 028-671-1811
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和6年7月2日(契約日)~ 令和6年12月23日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2回 (2018年度)
■総評
◇特に評価の高い点
1.子どもの自主性を尊重した保育に取り組んでいます。
 本園では子どもの主体性を尊重し、自ら育つ力の育成に力を入れて取り組んでいます。
 4歳児・ぱんだクラスでは、今年「パンダ建設株式会社」を設立し、活動が始まりました。園内の老朽化したウッドデッキの改修工事がその始まりです。ある日突然、大きな工事車両が園にやってきました。子どもたちの目はキラキラ輝いていました。園庭の一画には工事関係者用の簡易トイレが設置されました。興味津々です。子どもたちの様子を見ていた担任の先生が、他で使用する予定であった大きな段ボールをクラスに持ち込んだところ、「トイレをつくりたい!」と子どもたちから発信がありました。ここから子どもたちは、段ボールのトイレ作りを始め、また、園庭で遊んだ時には雨水の流れを見つけ「水路の建設」が始まり、「温泉の掘り出し」と「パンダ建設株式会社」の事業を拡大させていきました。
 5歳児・きりんクラスでは、トマトに「リリコ」と名前があるのにキュウリやピーマン、ナスには「なぜ名前がないの?」の声をきっかけに、「名前付け」の作業が始まりました。
 3歳児・こあらクラスでは、プラレール遊びをきっかけに「新規路線を願って NK交通」(次世代型路面電車LRTごっこ)が始まりました。
 いずれも子どもの遊びや一言をきっかけに、それを発展させて保育につなげていくものであり、まさに子どもの自主性を尊重する保育であることを実感しました。

2.保育ドキュメンテーションによる情報発信に取り組んでいます。
 本園では、園で行われている保育の様子を保護者に伝えるために、様々な取組が行われています。
 近年、特に力を入れているのが「保育ドキュメンテーション」であり、活動経過を継続的に記録していくことで、子どもたちが何を学び、何を感じているかを保護者に発信することです。
 各クラスの前にクラスごとの「クラス掲示板」(ホワイトボード)があり、「今週のねらい」と「本日の活動」、「お知らせ」にスペースが分かれています。
 訪問調査でお伺いした日は、翌日の焼き芋パーティのための「さつまいも洗い」や改修中のデッキが一部完成したことによる「デッキの渡り初め」が2大出来事でした。
 先生方は午睡の時間を使って、今日の2大出来事についてホワイトボードに書き上げ、写真で構成される紙面(保育ドキュメンテーション)を一緒に掲載し、お迎えに来る保護者が見ることができるよう、急いで仕上げていました。写真があることで楽しさや迫力なども伝わり、   保護者の目にも止まりやすいと感じます。また、これをファイルに保管し、いつでも見られる状態にしてあることで、あまり来られない保護者や祖父母たちも振り返ってみることができ、より関心が高まるものと感じます。
 保護者が興味を持ち、分かりやすい保育情報の発信として、「保育ドキュメンテーション」の作成に取り組まれており、保護者と園とのコミュニケーションにおおいに役に立っています。

3.サービス向上に向けて活発な研修活動が行われています。
 宇都宮市保育課が策定する「宇都宮市の保育所における質の向上のためのアクションプログラムⅡ」に基づいて、活発な外部研修、園内研修活動が行われています。保育主任が研修担当となって勤務体制の調整を行いながら、短時間勤務職員も受講できるように工夫して行っています。研修結果は報告書にまとめ、皆の前で発表したり、回覧することで園全体で研修内容を共通理解し、その効果を波及させています。今回実施した職員アンケート結果では、「研修を終了した職員は、報告レポートを提出したり、皆の前で発表する取組はありますか」の質問に対し、「はい」が97.7%とほぼ100%の回答となっており、園全体で活発な研修活動を実施し、保育サービスの向上に向けた取組が行われています。

◇改善を求められる点
1.気軽に相談できる環境の構築が望まれます。
 利用者アンケートにおいて「保護者が相談したり意見を述べやすいように、相談できる職員が複数いたり、相談スペースが設けられていたりすることの説明がありましたか。」について「はい」は68.9%であり、「いいえ」が9.5%、「どちらともいえない」が21.6%となっています。「はい」の回答が8割を超える設問が多い中、68.9%とやや低い回答比率となっています。
 保護者からの相談は、朝晩の送迎時の話や「家庭連絡帳」による相談、保育参観やクラス懇談会、個人懇談会など、相談機会は少なからずあるものと思われます。
 一方で、相談スペースはパーティションで仕切り、確保している状況であり、満足なスペースの確保は難しい状況にあるのが現状です。
 未利用空間や使用頻度の少ないスペースを活用し、物理的に相談に適したスペースを確保していくことが望まれます。

2.就業時間、空間をうまく活用して、職員の休憩時間、スペースの確保が望まれます。
 全職員と年1回個別面談を行い、就業上の問題、要望を聞くようにしています。また、年休、夏季休暇などの休暇制度や毎週水曜日をノー残業デーとし、働き過ぎを管理するなど、就業管理は制度として整備され、管理されています。しかし、今回実施した職員アンケート調査結果では、「職員の就業状況(勤務時間や休暇取得、疲労ストレス)や意向を把握し、改善に取り組んでいますか」の問に、「はい」の回答が72.1%と質問全体の中で最も低くなっています。日常の就業時間内における休憩時間、スペースが問題視されており、改善点の自由意見の中で、数多くの意見がみられます。就業規則の中で勤務時間に応じた休憩時間が確保されていますが、会議や研修などにより休憩時間が割かれる状況があり、また、休憩室の確保といったスペースの問題が指摘されています。日常の就業時間の使い方、園舎内の空間の活用を工夫して、日常の就業時間における業務と休憩のスイッチオン、オフを明確にすることが望まれます。

3.すべての職員がICTを活用できるよう能力の向上が望まれます。
 保育業務システム(コドモン)が導入され、児童票の作成や指導計画等の立案、ヒヤリ・ハットやブレスチェックの記録・管理等に活用されています。
 現在、宇都宮市としてシステム運用の拡充に努めており、登降園管理など業務の効率化や情報の共有化などに有効に活用されていくものと期待されます。
 現在は、パソコンによる文書等の作成とともに、紙媒体による記録、連絡等が並行して行われています。業務の効率化等を目指し、誰もがパソコンやICT(情報通信技術)を使いこなせるよう、職員の能力の向上が望まれます。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者評価を受審するにあたり、保育理念や保育方針、目指している保育について、職員全体であらためて確認する機会となり、受審準備そのものが、保育の質の向上に向けた取組となり効果を感じています。また、意識して取り組んできた子どもの主体性を尊重するということについて、評価していただき大変励みになりました。
 今後は、第三者評価を受審して得られた評価結果をもとに、子どもと保護者、地域の信頼に応えられるよう、保育の改善や質の向上のための取り組み・活動を継続していきます。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。