とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
特定非営利活動法人 アスク
■施設・事業所情報
名称 栃木市おおつか保育園 種別 保育所
代表者氏名 伊東雪絵 定員(利用人数) 74(69)
所在地 〒328-0007
栃木市大塚町640-1
TEL 0282-27-5343
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和2年6月8日(契約日)~ 令和2年12月8日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2回 (平成26年度)
■総評
◇特に評価の高い点
○身近な自然とのふれあいを大切にして子どもの自主性を育てる保育
おおつか保育園が立地しているのは、自然の残る都市近郊の田園地帯である。園は地域の自然環境を取り入れ、園庭には大きな築山を設け、定期的な戸外活動(散歩、タケノコほり、芋ほり等)で四季の自然や身近な生き物に触れあっている。また2月、発達に応じ子ども達が自主的に活動でき、子どもの内面を理解し欲求や思いを伝えられるよう援助しており、子どもが意欲的に活動し達成感や満足感が得られるよう保育を行っている。日々の遊びや生活の中での異年齢児の交流や、定期的に行っている幼児組のリズム遊びや戸外活動の中で、子ども達に年上の子への憧れや他者への思いやりが育っている。
 
○園全体が連携して取り組む保育
保育園は定員が74名で少人数のクラス編成である。保育士は日々の子どもの情報を全員が把握するようにして保育を行っている。保護者アンケート回答からも、保育士が他のクラスの子どものこともよく知っていることが窺える。トイレや手洗い場の使用、午睡室の準備、防虫対策、園庭の駐車場など施設環境に課題が多く見られるが、職員は状況に合わせ様々な工夫と連携で対応している。また、特別に安全と個別対応が求められる支援児やアレルギー、慢性疾患のある子どもの対応等の健康管理についても情報を共有し、必要に応じて園内研修を行い園全体が連携し対応している。

○「地域の中で子どもを育む」地域との交流
栃木市公立保育園の保育理念には「保護者や地域と連携し、子育て・子育ちの支援を行う」とあり、保育目標のひとつには「地域の中で育つ子ども」を掲げている。以前からおおつか保育園は立地する地域とのつながりが深く、地域のまちづくり協議会に園長が参加して地域と保育園の交流の土台をつくってきた。地域が主催している祭りや体育祭では、代々5歳児が和太鼓演奏を披露していて、保育の中にも和太鼓の練習が組み込まれている。小学校を会場として開催される地域の敬老会では、子どもたちが歌や踊りを披露するとともに、子どもが小学校を見学する機会にもなっている。園だよりなどを通して地域のイベントなども家庭に知らせており、自由参加ではあるが子どもが保護者とともに地域の催し物に参加する機会は多く、保育目標にあるように「地域の中で子どもを育む」ことが実践されている。
◇改善を求められる点
○安心して利用できる施設の整備
園児にとって生まれて初めての集団生活の場となる保育園は、安心して楽しく伸び伸びと過ごせることが大前提になる。また、保育を担う職員にとっても環境の整備は欠かせない要件となる。しかしながら、当園は建物本体が築後50年以上経過し老朽化が進行しており修繕が必要な箇所が多々見受けられる。「栃木市保育所等整備基本方針」では、当園に関して、適宜、修繕を行うとあることから、早期の対応が望まれる。

○園運営におけるPDCAサイクルの活用
行事計画は別としても、園の課題解決や事業計画、研修計画、指導計画等々各計画の遂行に当たっての手法が明確でなく、一時的な手法で取り組んでいるように窺える。課題解決や目標の達成には計画・実行・評価・見直しを繰り返すPDCAサイクルの考えを基にした、進捗状況の把握が重要で、これによって計画の遅延や計画自体の軌道修正の早期対応も可能となり、次の飛躍へのステップにも繋がる。また、園の年度目標を受けて、各クラス目標が出来上がり、クラス目標を達成するために職員一人ひとりがどう貢献するかが個人目標となって、目標達成のための一連の流れが出来上がる。園運営の活性化や保育の質の向上のためにも、PDCAサイクルの有効活用が望まれる。

○保護者との共通理解を図る取組の強化
子どもの人数が少なく、どの保育士もクラスを超えて子どものことをよく把握している。保護者のアンケート回答には、保育士は何でも聞いてくれるし相談にのってくれると記載しているケースが多くみられる。園では、保護者からの相談には丁寧に対応して記録し、対応した後の経過も記載して相談がその場で終わらないようにしている。一方で連絡帳によるやりとりが0歳児に限られるようになって残念に思っている保護者も多い。また、保護者アンケートからは、保育士とのコミュニケーション不足があることも窺える。定められた面談や保育参加の機会が設けられておらず、クラスだよりも年3回の発行で、しかも6クラス併記の形となっている。子どものことについて保護者と保育士が共通認識を得るためにも、さらにきめ細かなコミュニケーションの機会や方法を工夫することが期待される。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回の第三者評価の受審により、職員一人一人が保育内容や保育の質の向上、子育て支援等、自分自身の保育について振り返ったり、園の組織としての在り方、運営管理等にも関心を深められるきっかけとなりました。
 評価を受けたことで、おおつか保育園の良い面に気づくと同時に、さらに向上できる点や改善していかなければいけない課題にも気づくことができました。
 今後、この結果を十分に生かし、職員一同力を合わせて、保育の質の向上に努めていきたいと思います。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。