とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
特定非営利活動法人 アスク
■施設・事業所情報
名称 那須塩原市南保育園 種別 保育所
代表者氏名 松江 貴子 定員(利用人数) 100人(100)
所在地 〒329-2732
那須塩原市一区町287番地
TEL 0287-37-0987
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和3年9月2日(契約日)~ 令和4年1月26日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2回 (2016年度)
■総評
◇特に評価の高い点
◎ 保育園全体で取り組む子ども一人ひとりを受容した保育
一人ひとりの心身の発達状況や家庭環境、生活リズムを把握し、子どもの欲求や内面について保育園全体で共通理解を図りながら、子どもが安心して保育園生活が過ごせるよう取り組んでいる。クラス会議や全体職員会議等で、一人ひとりの子どもについて援助方法や配慮すべき事柄を定期的に検討し、日々の保育の中でも子どもへの対応について、必要に応じて園長・副園長等に相談しアドバイスを受けている。また、保育士の保育経験や保育観からくる援助等に差が出ないよう、言葉づかいなどの具体的な研修にも取り組んでいる。保護者アンケートには、「一人ひとりを丁寧に見てくれる」「子どもの目線で対応している」等の記載があり、個々を受容した保育が実践されていることが窺える。

◎ 保育士の参加による保育園の計画作成と評価を行う仕組み
 南保育園の「全体的な計画」やクラス別「年間指導計画」は、その年度の子どもの発達や家庭状況、地域や社会状況等を把握した上で作成されている。指導計画は定期的に評価を行い、状況に合わせ変更するようになっている。年度末には子どもの発達・クラス状況・保護者との連携・地域との連携・世代間交流などを含む各指導計画と「保育園における保育の質の向上のためのアクションプログラム」の評価を園全体で行っている。その結果を職員自身の評価反省を含め総括し、保育園全体の評価として記録し、翌年度の各計画作成に繋ぐ仕組みになっている。

◎ 園と保護者の信頼関係を基盤にした保護者支援
各年齢の年間指導計画に「保護者支援・子育て支援」を設け、月の指導計画の中で具体的な目標を立てて保護者支援を実施している。園長・副園長をはじめ、職員全体で保護者への挨拶や声掛けを行うことで信頼関係を築き、園全体で子どもを見ているという安心感に繋がっている。送迎時や個人面談を通して保護者の悩みを聞き相談に応じたり、子育てについてアドバイスをしたり、必要があれば市の子ども・子育て総合センターや保健センター、ファミリーサポートセンター、その他専門の相談機関や療育機関などを紹介している。受けた相談内容は、専用の様式に記録し、園長と副園長に報告するとともに、職員会議で情報の共有を行い、専門機関と連携するなどして安心して子育てができるよう支援している。
◇改善を求められる点
◎ 保育園としての事業計画の策定と保護者への周知
単年度の計画としては、保育の資の向上を目指す「アクションプログラム」、保育の全体像を示す「全体的な計画」、年齢別に四半期毎の保育指導計画を表す「年間指導計画」、「職員研修計画」、個々の保育活動の計画である「保健計画」や「交通安全年内計画」「食育計画」等が策定されている。これらの計画は年度初めの職員会議で前年度の評価反省を踏まえて作成している。しかし、総会資料として保護者に配布する「事業計画書」と称するものは行事計画が主体になっていて、事業計画全体を統合・網羅したものはではない。今後は個々の単体事業をまとめた一体のものとして、事業計画を表示することが望まれる。また、行事等の際には、園長が口頭で行事やそれぞれの活動計画の目的や狙いを説明しているものの、文書等では知らせていない。保護者が、園での生活や保育への理解、計画の達成に向けて園が様々な取組を行っていることの理解を促すために、保護者等に情報発信して行くことが期待される。

◎ 安心・安全な保育の実施のための環境の整備
 南保育園の園庭は広くのびのび遊べる環境になっているが、園舎は老朽化から様々な改修・改善が必要な状況にある。例えば、部屋数が足りず遊戯室を保育室として利用しているため、発表会などの行事の実施や雨天日の保育、午睡のなくなる年長児の保育等については、さまざまな工夫をしながらの対応を余儀なくされている。また、相談室専用のスペースもない。さらに、送迎用の駐車場が狭く朝の混雑する時間は職員が交通整理を行い安全を図っているが、長い時間駐車できないことから、送迎時の対応をゆったり行えない状況がある。このほか、事故防止カメラ増設の必要性や周辺道路の街路灯設置等の安全や防犯上の改善も課題として上がっているので、この状況に対する解決策を市と協議し検討することが望まれる。

◎ 全職員が無理なく休暇が取得できる体制の整備
公立保育園では保育士の非正規化が進んでおり、当園も例外ではない。現在、会計年度任用職員が3分の2近くを占める状況となっており、正職員の比率を高めることが課題となっているが、解消するまでには至っていない。一方で、会計年度任用制度の導入により、非正規職員の待遇の改善が図られている。職員個々の休暇の取得に関しては、限度はあるものの職員同士で可能な限り調整できるよう配慮しているが、会計年度任用職員の休暇日数が増えたことに伴い、休暇取得の偏りも表面化するようになっている。職員アンケートのコメントでも休暇取得への不満が散見される。市の人員配置計画にも係わることであるが、正職員と会計年度任用職員のバランスを考慮するなど、全職員が無理なく休暇が取得できる体制の整備が望まれる。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 前回の評価結果をもとに、職員一同共通認識を持ち、保育の質の向上を目指して取り組んできました。
 その結果として、子ども一人一人を受容した保育や保育園の計画作成と評価を行う仕組み、保護者支援については、高い評価をいただき、嬉しく思いました。また、特に嬉しかったのは、保護者アンケートで、好意的な意見が多く寄せられ、職員との信頼関係が築かれ、満足していることが分かったことです。一人一人の子どもに温かく接し、保護者にも丁寧な対応をしてくれている全職員に感謝したいと思います。
 建物の老朽化に伴う保育環境や職員の配置の問題など、市で取り組むべき課題はありますが、保育の内容としては、質の高い保育ができていると思います。
 今後は、それらの保育の計画や目的など保護者への情報発信に力を入れ、園が様々な取組を行っていることの理解を促していきたいと思います。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。