とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
特定非営利活動法人ニッポン・アクティブライフ・クラブ
■施設・事業所情報
名称 認定こども園 第二薬師寺幼稚園 種別 保育所
代表者氏名 内木 大輔 定員(利用人数) 254人(239)
所在地 〒329-0434
栃木県下野市祇園4-6-3
TEL 0285-44-9988
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和3年6月21日(契約日)~ 令和4年3月28日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1回 (今回が初回)
■総評
◇特に評価の高い点
1. 情報通信技術(ICT化)の取入れによる職務効率と運営の改善
 システム・エンジニアの経験のある職員を中心に、園運営に情報通信技術(ICT化)を取入れ、法人の共有ファイルサーバーを利用し法人運営の各園をVPN(仮想ネットワーク)で接続したパソコンをクラス担当毎に各1台、また、スマートフォンをクラス毎に配布し、職員の情報は「チャットワーク」で共有しペーパーレス化を、また各園の保護者との連絡は電子連絡システムの「えんとつ」(「えんとつながる」)に集約し、第二薬師寺幼稚園の園だより「てんとうむしつうしん」も「えんとつ」で配信するなどの取り組みによりペーパーレス化に繋げている。経理・総務を担当する事務職員、清掃・環境整備担当職員の採用により、残業や持ち帰り仕事を無くし、保育士が保育に専念できる体制を整えつつある。

2. 特色ある教育カリキュラムと充実した課外授業で自立性、積極性を育む保育
(学)内木学園運営の認定こども園(薬師寺幼稚園と第二薬師寺幼稚園)では保護者に選ばれるために教育に力を注ぎ、第二薬師寺幼稚園では毎日の体操指導と音楽指導(鍵盤ハーモニカ)の他に週2回のネイティブ講師による英語レッスンや文字書き・読書活動も進めている。さらに、第二薬師寺幼稚園では午後の時間帯に体育系4科目、文化系8科目の課外教室(選択制、有料)がある。これらの活発な教育活動は第二薬師寺幼稚園の特色であり、保護者からは「(保育時間内の教育)内容の充実」「充実した課外授業(子どもに合わせて選択できる)」など、教育が充実していることを高く評価する意見が寄せられている。

3.災害時における園児の安心・安全な避難体制の構築と備蓄食糧等の工夫
地震、火災、台風など災害時の園児安全確保のため危機管理マニュアルを整備し、園児の安全を第一に考えて避難訓練を年間指導計画に位置付け定期的に行っている。また、園児数が多く(令和3年5月現在241名)災害発生時に保護者等との通信・連絡の混乱が想定されることから対応マニュアルを園児の時間帯毎(登園前、登園中、保育中、降園中、延長保育中等)に詳細に作成し3月の教育内容説明会で説明している。最悪の事態であるライフラインが切断された場合の保護者の情報収集方法、連絡方法、交通手段、休園か否かなどが状況毎に一覧表に明記されており、職員への周知は勿論、保護者にとって災害への心構えができるなど、一丸となって万が一に備えている。災害時の備蓄食料については、米と味噌(冷凍庫保管具材含む)を全園児1食分程度用意している(「1食分」というのは下野市からの要請)。その際メニューはシンプルに「おにぎりと味噌汁」としながらも、栄養的に不足しがちなビタミン・ミネラル補給にも配慮している。また、災害用自家発電機(2台)を準備し、近隣住民への貸し出しにも備えるなど協力関係を築いている。

4.保護者等と園との強力な信頼関係
電子連絡帳や送迎時の保護者との情報交換のほかに、父の日や母の日のイベント「親子参観」や、誕生月の子の保護者を招待しての毎月の誕生会、給食試食会、保育参観を乳児組は2ヵ月に1回、幼児組は学期毎に年3回実施するなど、保護者が園に来て、親子一緒に活動する機会を多く設定し各行事とも参加者が多く、また保育士との会話の機会も多く保護者等と園との緊密な連携が図られ強力な信頼関係に繋げている。

5. 保育士等の自己評価を実施しPDCAサイクルを廻し保育の質の向上に繋げている。
保育士等の組織図に添った評価様式を用い自分の保育について目標設定を行い、園長・主任などからアドバイスを得て、その目標に対しての自らの保育実践を振り返り理事長、園長との面談も行い、保育実践の改善や専門性の向上に取り組んでいる。また、個人の振り返りだけでなく各学年の会議の中でも、課題、対処方法について職員間で話し合い保育の質の向上に反映している。
◇改善を求められる点
1. 標準的な実施方法を文書化した「保育の流れ」の記載内容の充実 
標準的な実施方法を文書化した「保育の流れ」は、実際の保育の現状に合うように主任会議等で検証して改善し、年度末に完成させる大まかな仕組みができているが、「保育の流れ」には子ども一人ひとりの尊重、プライバシーの保護や権利擁護に関る姿勢が明示されていないので、これらの記載を期待する。

2.支援を必要とする園児についての個別指導計画の作成と会議の開催
園には支援を必要とする複数の園児がおり、そのクラスには1名ずつ保育士が加配されている。一人ひとりに「年間療育支援計画」は作成されているが、支援を必要とする園児が集団の中で安心して楽しく生活し、一人ひとりに配慮した月間個別指導計画の作成を期待する。また、支援を必要とする園児の指導については毎月の各学年会議の中で行われているが、職員の共通理解の観点から別枠で「支援を必要とする園児の会議」を設け、支援を必要とする園児一人ひとりについての指導状況、対応方法につき検討することを期待する。


(付記)第二薬師寺幼稚園は幼保連携型認定こども園であることから、第三者評価に際して、とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構に確認し、認定こども園の保育園部分を第三者評価の対象にしました。しかし、認定こども園は保育園部分と幼稚園部分とが一体的に運営されており、本評価では保育園の第三者評価の評価基準で認定こども園を評価しました。また、第二薬師寺幼稚園を運営している(学)内木学園は文部科学省管轄であるが、(福)内木会と一体的に認定こども園、幼稚園、保育園の運営を行っています。本評価では第二薬師寺幼稚園の運営については、法人全体を第三者評価の対象にしました。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第二薬師寺幼稚園では、保育の質の向上、子育て支援の充実を目指し、継続的な取り組みを行ってきました。特に、この数年間、職員が保育に専念できる環境、中長期的な人材の定着・育成の実現を目標に運営を見直してきたことが評価され、大変嬉しく思います。
 改善点としてご指摘をいただいた個所につきましては、全職員で改善に取り組み、より一層子ども達・保護者・職員の笑顔あふれる園、地域に愛される園となるよう研鑽を重ねて参ります。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。