とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
特定非営利活動法人 アスク
■施設・事業所情報
名称 那須塩原市わかば保育園 種別 保育所
代表者氏名 大木 美奈子 定員(利用人数) 120人(95)
所在地 〒325-0047
那須塩原市若葉町9番21号
TEL 0287-62-2123
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和4年8月1日(契約日)~ 令和5年2月25日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3回 (平成29年度)
■総評
◇特に評価の高い点
○保育理念・保育方針を周知するための表現の工夫
 那須塩原市立保育園共通の「保育理念」「保育方針」と、それに基づく園の基本方針について、毎年クラスごとに「わかば保育園の理念に基づく基本方針」という表題のプリントを作成して、事務室と保育室に掲示するとともに保護者にも配布している。
 保育理念や保育方針がともすれば文章のみで示されることが多く見受けられる中で、イラストを使って共通の「保育の目標」を表し、そのクラス(年齢)の「保育の年間目標」と子どもが具体的にどのような体験をするのかを記載している。また、園に勤務する保育士以外の職員も一人ひとりを見守っているとの添え書きもあり、保育園の役割について理解を促すためにはわかりやすいものとなっており、独自性が見られる。

○保育園全体で取組む子ども一人ひとりを受容した保育
 保育園は子ども一人ひとりの心身の発達状況や家庭環境、生活リズムを把握し、個々に合った援助を行い安心して保育園生活が過ごせるよう配慮している。また、障がいや病気などで特別な支援を必要とする子どもの保育にも積極的に取組んでいる。一人ひとりの子どもを受容するため、援助と配慮の仕方をクラス会議や園内ケース会議で検討し、園全体で子どもの状況を共通理解することを大切にしている。保育士は安心して生活できるよう子どもの欲求や内面を理解し、時には悩み、話し合い、園長や副園長のアドバイスを受けながら、状況に合わせ保育士同士が互いに連携・協力することで困難な場面に対応している。保護者アンケートには、「子どもの気持ちを大切にしてくれる」「子どもがのびのび過ごせている」「細かい所まで見てくれ安心」などの記入があり、子どもを大切に保育していると感じていることが窺える。

○保護者支援のための適切な相談対応
 「保護者支援マニュアル」があり、保護者からの相談や援助依頼には、①傾聴、②共感、③適切な対応、④信頼関係の形成、⑤自信を与える、の5項目を掲げて支援の心構えや方法を示している。園だよりやクラスだよりで、いつでもどんなことでも相談に応じる旨を記載し、相談を申し出しやすいように働きかけている。日々の連絡帳や送迎時、随時の口頭による相談のほか、年1回、個人面談日を設け、保護者と対面による話し合いを行っている。
 保護者からの相談には随時対応しており、保護者アンケートには園の相談対応が良いとの回答が多数寄せられている。相談内容には、子育ての悩みや子どもの育ちに関するもののほか、家庭生活の困りごとも含まれており、内容によっては市の相談機関や担当部署、外部の専門機関を紹介するなどの対応を取って、保護者の子育てを支援し、家庭生活を支えている。
◇改善を求められる点
○職員間の情報共有・共通理解を深めるための取組
 園では円滑な園運営や保育の質の向上に向けた取組を行う上で、「職員間の情報共有や共通理解が十分にはできていない」ことを課題と考えている。子どもや保護者にとって快適な保育環境を実現するためには、職員間の連携と協力体制が必要である。非常勤職員が半数近くを占め、勤務形態が複雑化している状況で、職員一人ひとりが連携して子どもと保護者を支えるためには、職員間のコミュニケーションを緊密にし、確実な連絡方法を構築しなければならない。また、保育についての共通の土台を築くために、短時間勤務者も含めて、すべての保育士が保育の標準的実施方法や各マニュアルの中身に対する理解を深める必要がある。均等な教育研修の機会を作り出すのが困難な中、様々な工夫は見られるが、より一層の取組が望まれる。  

○安心・安全な保育の実施のための環境の整備
 保育園の園庭は広くのびのび遊べる環境になっているが、園舎は1971年の開設後50年以上が経過して老朽化が進み、様々な改修・改善が必要な状況にある。さらに気象や生活様式の変化に適応した改善等も必要となっている。夏場は園庭にはほとんど日陰がなく、室内まで日差しが差し込むため、遊具やプール、テラスへの対策として遮光カーテン等を利用した工夫をしている。特にトイレや水道などは設計上使い勝手が悪く、子どもが使用する時は必ず保育士が付き添い援助をしている。職員は衛生管理と安全点検を行い、設備の老朽化に対しては保育園全体で様々な工夫と対応を行っているが、職員の努力だけでは厳しい状況であることも窺える。子ども達が日々安心安全に過ごせるよう、継続して改修や修繕を行うことが望まれる。

〇第三者評価の結果や苦情解決についての情報公表
 園としては、第三者評価を受審していることを保護者に伝えてはいるが、評価結果の内容や公表サイトであるとちぎ福祉サービス第三者評価推進機構のホームページの見方までは詳しく伝えられていない。第三者評価を実施することの意義や評価結果について、今後伝え方の工夫が求められる。
 保護者からの相談・意見・苦情については、受け付けていることは保護者に伝えているが、内容や対応結果は公表されていない。保護者全体に共通する一般的な相談・意見等に関しては、園の回答がほかの保護者の参考になることもあると考えられるため、工夫して公表することが期待される。 
 市の苦情解決の内規や苦情解決のフロー図では、第三者委員が2名配置となっているにもかかわらず、実際は主任児童委員1名のみの委嘱となっている。内規どおりに2名を委嘱することが求められる。また、個人情報を除いた苦情と解決内容の公表は規定にも定められているため、市立保育園としての公表の扱い方の統一が求められる。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者評価を受審したことで、保育園全体として、また、職員一人ひとりにとっても、保育に対する姿勢や考え方を見直すことができ、職員間で共通理解を深める良い機会となりました。
 今回の結果を踏まえ、良い評価をいただいたところは継続し、今後も、子どもたちや保護者に寄り添いながら子どもたちの育ちを支援していき、改善点については、保護者や職員の意見も参考に、保育の質の向上に向け、また、子どもたちが安心安全に生活できるよう取組んでいきたいと思います。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。