とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
特定非営利活動法人 アスク
■施設・事業所情報
名称 那須塩原市三島保育園 種別 保育所
代表者氏名 塩生 敦子 定員(利用人数) 100人(94)
所在地 〒329-2752
栃木県那須塩原市三島4丁目30
TEL 0287-36-3980
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和5年7月5日(契約日)~ 令和6年2月16日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3回 (2019年度)
■総評
◇特に評価の高い点
〇一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育の実践
 一人ひとりの心身の発達状況や家庭環境、生活リズムを把握し、子どものありのままの姿を受けとめ、それぞれに合った保育内容や保育士の関わり方を検討し保育を行っている。園は支援が必要な子どもの保育にも積極的に取り組んでおり、子どもが安心して楽しく生活し成長できるよう支援をしている。保育士は子どもの欲求や内面を理解し、子どもの状況について園全体の共通理解をはかるため、援助方法や配慮の仕方をクラス会議や園内ケース会議で検討し、園長・副園長のアドバイスを受け取り組んでいる。令和5年度は、子どもの気持ちに沿って適切に対応できるよう、チェックリストを利用し園内研修を行っている。保護者アンケートからも、「多くの保育士がそれぞれの発達に合わせてみてくれる」「子どもの話からのびのびすごしているのが感じられる」等の記入があり、子どもの個人差を十分に把握し、保育が行われていると感じていることが窺える。

○働きやすい職場環境が生み出すチームワークによる安全な保育
 園長は、「職員にとって働きやすい環境」が「良い保育に繋がる」という考えから、職員間でより良いコミュニケーションが持てるよう配慮している。職員アンケートにおいても、「職員間のコミュニケーションがよくとれており、職員同士の和やかな雰囲気は保育にも良い影響を与えている」との記述がある。クラス会議などを頻繁に開催して職員同士で問題を解決したり、「おじいちゃん保育助手」の力を借りて、老朽化した園舎を随時修理対応したりしながら、安心安全な保育環境を整えるなど、職員のチームワークで子ども一人ひとりを受容した保育に取り組んでいる。

○保護者からの苦情、意見、質問、相談への適切な対応
 入園前後や保育見学の後に行われる個人面談のほか、送迎時や保護者の申し出により相談に応じている。園では独自にフローチャート形式の「意見・相談・質問受付保護者対応マニュアル」を策定し、相談対応の仕方の統一をはかっている。個人面談は保育士の出入りのない時間帯の事務室や空き部屋、遊戯室を利用して話がしやすい環境を用意し、相談の内容によっては担任と園長、副園長の複数で対応している。相談や質問、苦情に対してすぐに回答できない場合は、その旨を相談者に知らせて不安感を取り除き、なるべく速やかに回答するようにしている。相談の内容は必要に応じて職員間で共有されて保育園運営や保育に活かされている。保護者アンケートの結果によると、苦情解決制度の周知状況や相談対応が良いとの結果が出ており、日頃からの職員と保護者のコミュニケーションの良さが窺われる。

◇改善を求められる点
○子どもと保護者が安心して民営化後の保育園へ移行できる計画と取組
 毎年度の評価・振り返りが個別の計画ごとにとどまっており、全体的な会議を開催して課題を確認・整理して次年度の全体的な改善実施計画の策定へと繋げる取組にはなっていない。保育の質の向上をはかり、理念を実現するためにも、さらに組織的・計画的に取り組むことが望まれる。特に、令和8年度に民営化されることが決まっているため、保育の質を担保するためには、園の取組だけでなく、市や受託する民間事業者と綿密な連携を取ることが不可欠である。子どもや保護者に不安や負担をかけないよう、タイムスケジュールをたてて丁寧に準備し、スムーズな保育移行がなされることが望まれる。

○日々の子どもの様子についての保護者との情報共有
 保護者には年4回のクラスだよりや行事の写真掲示等で園生活や子どもの様子を伝えているが、保護者アンケートからは子どもの日々の様子等を知りたいとの希望が窺われる。0・1・2歳児の連絡ノートや送迎時の保育士との会話で情報共有には取り組んでいるが、駐車場が狭くて送迎時にゆっくり話す時間が取れないことや、早遅番時間には担任に会う機会が少ない状況もある。令和6年1月から保育支援システムが導入され、登園状況等の確認が行われている。今後システムの利用を含め、保護者が知りたいと思っている子どもの情報を伝える方法を検討し、さらに保護者と連携して子育てが行われるよう期待する。

○子どもの社会性を育てるための地域との交流や地域資源の活用
 新型コロナウイルス感染症が蔓延していた数年の間、地域との交流が途絶えており、園では子どもの社会体験が不足していると懸念している。今年度、中学生の社会体験活動が始まり2名を受け入れ、近くの公民館に来ていた民生委員がバルーンアートを作って子どもと遊ぶ機会や、ALTが訪れ英語遊びをしてくれる活動が始まっている。以前は近くのグループホームの高齢者とふれあう世代間交流の機会があったが、まだ再開できていない。子どもが社会経験を積むためにも積極的に地域資源を利用することが必要である。また、災害などが起こったときにも、市の公共施設として近隣住民に対して果たすことができる役割があると思われるので、地域との交流を積極的に進めることが望まれる。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 今回第三者評価を受審したことで、子どもたちや保護者にとって、より安心・安全な保育を行っていくための、園の課題となる部分が明確となりました。民営化に向けては、子どもたちや保護者の不安や負担を少しでも取り除いていけるよう丁寧に準備を進めていきたいと思います。また保護者との情報共有をより深めていくためにはどうしていくか、地域の方々とはどのようにかかわり、連携を目指していくか等、アドバイスをいただいたことを参考に、一つ一つ職員で共有検討しながら改善に向けて取り組んでいきたいと思います。
 今回評価をいただいた部分は真摯に受け止め、より良い保育園生活を送れるよう、子どもたちや保護者の気持ちに寄り添っていくことで、さらに信頼される保育園になるよう努めてまいります。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。