■第三者評価機関名
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■施設・事業所情報
名称 |
那須高原保育園 |
種別 |
保育所 |
代表者氏名 |
芳賀 千尋 |
定員(利用人数) |
60(58) |
所在地 |
〒325-0301 那須町湯本430
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TEL |
0287-76-3198 |
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■第三者評価の受審状況
評価実施期間 |
令和6年6月27日(契約日)~ 令和6年12月21日(評価結果確定日) |
受審回数(前回の受審時期) |
1回 () |
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■総評
◇特に評価の高い点 1.子どもの主体性を発揮させる保育 園の理念には、「一人ひとりの子どもたちの笑顔が輝くよう、誰もが主人公になれるよう、子どもたちを真ん中に、みんなで作る保育園でありたい(抜粋)」とあり、子どもを尊重し、子どもの主体性を育てる姿勢を掲げている。子どもが自分で考え、自分で選択し行動が出来、困難があっても立ち向かえるよう園全体で取り組んでいる。子どもが予測できるリスクと予測できないリスクを区別し、整えすぎない環境整備を行っている。保護者には園の保育方針について入園時や様々な行事等の中で理解が得られるよう説明している。子どもは自然とふれあいながらのびのびと遊び、異年齢児との生活と遊びの中で、友だちとの関係づくりや共同活動を行っている。保育士は子どもが自発的に意欲的に関われるよう、子ども同士の会話に耳を傾け、子どもの意見を聞くことを優先し、保育士の声かけも言葉を選んで対応している。
2.食育への取組 園は、「食欲は意欲」、食べることの喜びは生きるエネルギーとして、食育に取り組んでいる。食を楽しめるよう、年間を通して季節に合わせたおやつ作り(よもぎ団子・梅ジュース・桜餅等)やお泊り保育やキャンプ等の行事の中で調理活動を行っている。園庭の畑では野菜を栽培し、味噌つくりや田植え体験も行っている。幼児組は温かい物は温かいうちに食べられる様一斉に食べ始めることはせず、昼食時になれば自分のタイミングで遊びを切り上げ、自分で用意し、好きな席で好きな人と食べ始めている。自分で食べられる量を自分で用意し、自分の食事に責任を持てるようバイキング形式になっている。食器は陶器を使用し、食材が映える白色を使用している。陶器は落としたら割れるが、その分食器を大切に扱う気持ちが育まれているとのことである。年長児は春に近くの工房で自分のご飯茶碗を作製し、大切に使っている。献立は和食を中心として旬のものを取り入れ、無農薬米を主食として、天然だしをとりおやつを含め手作りすることを基本としている。卵や乳製品は、アレルギーのある子も同じ献立で食べられる様に月1回のみの使用としている。地域の食文化(しもつかれ・インド煮・モロの煮付け等)や季節の行事(七夕・クリスマス・ひな祭り等)、誕生会(赤飯)などの特別な献立も取り入れている。子どもの咀嚼力を育てることを考え、歯ごたえのある食材(煮干し・牛蒡・レンコン・フランスパン等)が使われている。保育士は子ども一人ひとりの咀嚼や嚥下状況を把握・確認し、その日の子どもの状況に配慮して支援をしている。また、調理員は日々子どもの食事の様子を観察し、定期的な給食会議や日常の保育士との連絡で子どもの喫食状況を確認し調理の工夫等をしている。
3.子どもを真ん中に保護者と保育士、地域で見守り育てる保育 園の保育は、子どもの「生きる力」を引き出し育てる保育であり、子どもが多少の危険や障害を乗り越える力を育みたいと見守ることに徹する保育である。保育者が子どもを信じ、保護者や地域の理解がないと成り立たない。そのため、園ではさまざまな機会を通して保護者を園活動に巻き込み、協力関係を作っている。園の遊具は園児の親の手作りで、また作りっぱなしではなく、不具合があれば修繕も買って出てくれる。地域柄、観光産業に従事する親や自営業者が多いこともあり、運動会や奉仕作業を平日に実施して喜ばれている。「にこまるフェス」と名付けた園の秋祭りや和太鼓の公演には地域の人にも案内を出して園の活動を地域に知らせて理解を図っている。那須町や教育関係者も注目している保育内容であり、地域に根ざした保育園として、今後、ますます発展が期待されている。
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◇改善を求められる点 1.個人目標の設定と運用法の改善 職員の年間目標の設定は、現在、年頭の会議で職員それぞれが抱負や願望を口頭で意思表示するのみである。施設運営の向上と職員個々の資質向上に寄与する、個人目標の設定に関しては口頭でアピールするだけでなく、期限と成果などを明確化してどのレベルまで到達すべきかを明らかにする必要がある。例えば、事業計画で掲げた園児募集のためのイベントの開催やクラス別年間保育目標達成等について、職員一人ひとりが何をなすべきか、どう貢献できるかを上司(園長・事務長・主任保育士等々)と十分なコミュニケーションを取って双方が納得して目標を設定することが求められる。その後、設定した期限・成果目標を何回かに区切ってチェックし、進捗度を見極めながら必要に応じて軌道修正するなどして、最終評価・成果に繋げる仕組み作りが望ましい。
2.ビジョン実現のための中・長期計画の策定 目指すべきビジョンとして、①小規模でも利用者に選んでもらう、②多様な選択肢を持った園の運営を保護者と共に育てていく、③五感で体感することを重視し、自然との触れ合いを通じて過度の規制がない思い切った保育の実践、④地域に溶け込むことで、近隣住民との良好な関係の構築、を挙げている。しかし、このようなビジョンをどのような手法で何時までに実現するか、という具体的な計画の策定はできていない。 掲げたビジョンが1~2年の短期間で達成可能な場合は別として、どうしても中・長期にわたるビジョンを達成するためには何が必要か、先ずは法人全体としてのバックアップや組織体制・園としての設備の整備・職員体制・人材育成等々の現状を分析して課題や問題点を明らかにする必要がある。次に明らかになった課題や問題点を課題ごとに整理して、優先順位や達成までの準備期間などを考慮し、3~5年にわたる具体的な計画に落とし込むことが望まれる。
3.記録の整備と文書化 保育日誌や児童票、健康管理等の記録は定められた様式によって、保育園業務支援システムに記録され、全体で共有できるようになっている。園ではさまざまな活動が展開されていて、日々、保護者からの要望や相談ごともあるが、その記録が手薄になることが多い。記録は単に保存するためではなく、蓄積して分析するためのデータにもなる貴重なものであるので、どのような内容を記録として文書化するか検討が望まれる。また、主要なマニュアル類は策定済みであるが、いくつかのマニュアルや規程、活動方針、保育の標準的な実施方法等が未整備であるため、園の実情に即した形で文書化することが求められる。
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■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価を受審することで、職員全員が園の運営や保育について語り合う大変良い機会となった。また、園の強みや改善点が明確となり、これから園が成長、発展していく為の糸口が見つかった。特に今まで着手して来なかった「記録」については、保育の足跡を残すという点で重要であること、マニュアルや規程を整備することは、皆が同じ方向を向いて保育するという点でなくてはならないものであることを学び、早急に整備したい。 今回の受審を通して、強みは更に伸ばし、改善できることは改善し、子どもたちにとっても、保護者の皆様にとっても、より良い保育を実現できるよう努力して行きたい。 評価にあたっては、たくさんの温かい励ましのお言葉、尽力を賜り心より感謝いたします。 ありがとうございました。
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■第三者評価結果
別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。 |