とちぎ福祉サービス第三者評価推進機構

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福祉サービス第三者評価結果


■第三者評価機関名
株式会社 アールピーアイ栃木
■施設・事業所情報
名称 アイリブとちぎ 種別 共同生活援助
代表者氏名 河合 明子 定員(利用人数) 25人(16人)
所在地 〒329-1231
栃木県塩谷郡高根沢町宝石台2丁目1-1(本部事務所)
TEL 028-612-6458
■第三者評価の受審状況
評価実施期間 令和7年11月13日(契約日)~ 令和8年2月26日(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1回 (今回が初回)
■総評
◇特に評価の高い点
1.理念、基本方針が事業所全体に浸透し、自分らしく生きることを実践しています。
アイリブとちぎ(以下「本事業所」という。)は、平成30(2018)年11月1日に設立された精神障害者、知的障害者を対象とした共同生活援助事業所で、まだ7年余りの若い事業所です。設立当初より、理念に「人はみな人生の芸術家」を掲げ、基本方針を「新しい生き方、働き方にチャレンジする人を支援し、個性に前向きなコミュニティを育みます」、キャッチコピーを「私が私として、私らしく生きる、暮らす」と定め、自律した生活をする利用者、それをサポートするスタッフのサービスが展開され、コミュニティリカバリーモデルを発信しています。その確固たる本事業所の考え方は、常日頃の生活の中で語られ、利用者、職員に深く浸透し、ともに自分らしく生活することを実践しています。

2.一人一人の個性や能力に応じた丁寧な支援が行われています。
本事業所は現在、アパートタイプ1棟を含む全6棟に、軽度から重度の障害を持つ様々な個性のある16人が生活をしています。
「人はみな人生の芸術家」を事業所の理念としており、一人一人のアセスメントを丁寧に行い、本人やご家族と話し合いながら個別支援計画を取りまとめ、支援が行われています。直接利用者と対面する時間が長い世話人に対しては、利用者の個別の支援手順書を作成し、場面ごとの支援の留意点を記載するなど、一人一人に応じたきめ細やかな支援が行えるよう取組が行われています。また、傍目には「もっとやってあげれば」と思えることも、利用者の持つ能力を最大限活かすため、利用者本人ができることは自分で行うこととし、過剰な支援にならないように心掛けていることによるものです。このように本人の個性や能力を尊重する支援を、丁寧に取り組んでいます。

3.地域と一体となった暮らしの実現に向けて取り組んでいます。
平成30(2018)年11月に最初のグループホーム「アティーナ」棟での入居が始まり、7年が経過した現在は、宝石台地区を中心に6棟が運営されています。現在は、地元自治会の祭礼等のイベントや清掃活動にも参加し、ある職員は自治会の役員として参加するなど、地域に暮らす一員として、少しずつ地域に受け入れられてきたものと思われます。また、「一人暮らしを始めたい」という利用者の希望の実現に向け、自立した生活を確保しつつ適度な関係性を保ち続けることができる居住・支援形態として、新たにアパート棟を整備(一部部屋の借り上げ)し、現在2名が入居しています。
事業所名の「I Live」は、「知的・精神障害者の“自分で暮らす”を応援する アイリブ」であり、地域の理解を得ながら“自分で暮らす”の実現に向けて着実な取組が行われています。
◇改善を求められる点
1.新しい将来を目指す長期計画の策定が求められます。
本事業所の設立にあたり、平成30(2018)年度に地域の創造的起業のための公的補助金制度の申請を行いました。その際に事業計画書を作成し提出しています。この事業計画は令和5年度を目指し、本事業の起業動機、将来展望、事業内容、さらに資金計画が立てられており、本事業所の第1期の長期計画と言えます。その後事業は順調に展開し、今日、6棟のグループホームを経営する企業として成長しています。現在、第1期に続く第2期については、今後の運営の安定化を模索しているところで、まだ策定されていないのが現状です。本事業所、さらには本事業の経営組織の将来を展望し、新たな時代の成長を目指し、第2期の長期計画の策定が求められています。

2.第三者委員の設置が求められます。
軽度から重度の障害を持つ利用者に対する個性や能力に応じた丁寧な支援については、広く理解されるには時間がかかるとの懸念がありました。実際、疑問の声が寄せられるケースがありましたが、県等の理解を得て、これまで問題なく理念の実現に向けた取組が行われてきました。
近年、事業所の取組の理解がやや広まりつつあることも踏まえ、福祉サービス第三者評価を受審することとなり、さらにこの受審が、取組についてさらに理解が深まるものと期待されます。
苦情解決の仕組みの一つである第三者委員制度は、これまで設置されておりませんでした。本事業所の取組の理解が進みつつある今日においては、第三者委員にも取組の理解が進むことが期待されることから、苦情解決のプロセスの透明化等を図る第三者委員の設置は、早期に対応すべき課題と考えられます。

3.実施が難しい世話人の研修会や勉強会への取組について検討が望まれます。
職員アンケートにおいて、取組が十分ではないとの評価項目が少なからず見受けられました。高い理想を持つがゆえの低い自己評価であると判断されます。その中で非常勤の世話人の研修や勉強会の取組は、365日、24時間運営の業務であること、また、短時間勤務の職員が多いことなどにより、行っていますが全員参加は難しい状況にあります。しかし非常勤の世話人は職員全体の3分の2を占め、本事業所の基礎的な業務を支える重要な職員です。
最近導入した業務支援ソフトにより、情報の伝達など業務の改善が行われつつあり、世話人業務も一部が効率化されています。世話人のサービスの質向上のために、さらなる業務の効率化を図り、研修会や勉強会の参加率を上げる、さらには全員参加を可能にする工夫、取組について検討することが望まれます。
■第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
2018年5月に合同会社リビングアーティストを設立し、同年11月1日に第1棟目となる“アティーナ”を開業してから丸7年が経ちました。当時は資金も人脈もないゼロからのスタートでした。当初描いた5か年計画、5棟目開業までの道のりはコロナ渦もあり大変厳しく、それでも当事業所“アイリブとちぎ(以下、アイリブ)”の理念に集まった職員一同、どんな状況下でもその志を持ち続け、障がいのある方々が当たり前に地域社会の中でいきいきと暮らすというその景色を実現するため、信念を貫き、今日まで前進してきました。

そして当初の5か年計画の中で達成した5棟を運営する中で少しずつ増えていった入居される利用者や、共に働く職員たち。その彼ら彼女らを守り抜く覚悟で、さらなる1年とさらに1年とを積み重ね、直近2年間は主にサービス提供における質の向上、運営の安定化、持続可能な事業体制を整えるべく奔走してきました。そして昨年は、「一人暮らしをしたい」というひとりの利用者の希望を叶えるため6棟目のアパートメントハウス“ドーピー棟”開業に至りました。また、この7年間で、重度障害のある方、強度行動障害のある方の地域社会の中での回復と定着にも、さまざまな関係機関から一定の評価を得られるようになり、着実に実績を重ねているところです。

私たちの事業所名「アイリブ」は、一人称のIと生きるという意味のLiveをあわせた言葉です。そして、その名を分かりやすく「私が私として、私らしく生きる、暮らす」というキャッチコピーに言い換え、日々その言葉と向き合っています。「私らしく生きる、暮らす」ってなんだろう、どうしたらいいのだろう。入居者も職員も、日々このコンセプトを自分ごとと捉えながら、悩み、対話しながら過ごしています。

一番身近に支援をする世話人の非常勤職員の多くは福祉経験のない20代の大学生から70代のシニアなど多様な人生経験をもつ地域住民の方々です。24時間365日、グループホームで起こる様々なエピソード、個性豊かな利用者たち、その彼らや彼女らの人生ドラマの中に事業所職員のみならず、関係機関やご家族のみならず、地域社会における様々な登場人物が入り込み、様々な役割の中で支えていく、そして一喜一憂しながらも前向きに、夢や希望をもっていきいきと暮らしていく、そんな姿を「コミュニティリカバリーモデル」と掲げ、私たちはその実現を目指しています。

開業7年という未熟な私たちがさらに成長するため、この度、初めて第三者評価機関に評価していただきました。この結果を受けて、私たちが考えるアイリブの強み・弱みがしっかりと表現されたかと思いました。高く評価いただいた項目については、着実に継続するとともに、全職員の強みとして誇りをもって継続的に実践することを目指していきます。一方、課題や改善を期待される項目については、アイリブの次なる成長の大きなヒントと捉え、重要課題として真摯に対応して参ります。

近年、全国から本当に多くの方々が、視察や研修といった目的でアイリブに訪問される機会が増えています。地域社会のみならず、こうした全国の様々な方々のご期待に応えていくためにも、今回の評価をひとつの大きな契機として、一層の成長につなげていきたいと思います。

特に、①新たな時代の地域福祉とアイリブの未来を見据えた長期計画の策定、②事業の透明性を高める第三者委員の設置、③多様な職員への情報伝達、研修方法の工夫、を最優先事項として実行し、今後も「アイリブ流、地域住民の福祉人材育成」をより発展的に取り組んで参ります。

このような評価を通して成長の機会を頂けたことを嬉しく思うとともに、今後もこの日本の地域福祉の発展と成長に貢献し、地域の中で暮らす障がい者とその障がい者を支援するすべての人が“私が私として、私らしく生きる、暮らす”を実現できるよう寄与していきたいと考えています。

最後になりましたが、第三者評価機関である株式会社アールピーアイ栃木の皆様、非常に丁寧かつ的確な評価をいただき本当にありがとうございました。この結果を受け、成長したアイリブをまた評価していただきたいと思います。
■第三者評価結果
 
  別紙の「第三者評価結果」に記載している事項について公表する。